伝統工芸品

嗅ぎタバコ入れ

 

 

 

 

 

 

嗅ぎタバコ入れはこじんまりとした工芸品であり、玉石、琺瑯、水晶、メノウ、陶磁品などを原料とし、絵画、書道芸術も取り入れて作り上げた工芸品の中の珍しいものである。それは上品な人たちに貴重な愛玩物と見なされ、内外の人たちに知られている。

今までも愛玩物とされている嗅ぎタバコ入れは清の康煕の頃(1662-1723)のものを一番早期のものとしている。清の雍正(1723-1736)・乾隆の頃にそのピーク期を迎えた。当時、嗅ぎタバコを嗅ぎ、高級品の嗅ぎタバコ入れを持っていることは身分を示し、富を誇示するしるしとなった。清代の末期にはさらに内側に絵が描かれた精緻な嗅ぎタバコ入れが現れ、製作工程と技法もいろいろと変化し、さまざまな逸品がたくさん現れた。その後、葉タバコ、水煙、巻きタバコが次第に嗅ぎタバコに取って代わるようになったため、とうとう淘汰されてしまった。しかしながら、嗅ぎタバコを入れる器として作られた嗅ぎタバコ入れは精緻な手芸品として人々に好まれ、研究され、収蔵されてきた。

 

 

宮灯

 

 
 
 北京の「宮灯」はその名が広く知られている灯籠(とうろう)だ。精密な工芸がほどこされており、実用的価値のみならず、装飾品としての観賞価値も備えている。明・清朝時代、灯市口が北京最大の灯籠市だった。ほかにも西四・新街口・地安門などの灯籠市が、規模が大きく有名だった。当時の灯市口は北京で最も栄えた地区のひとつであり、通りの両側には各種商店・酒楼が軒を連ね、大勢の人々で賑わいをみせていた。灯籠まつりが開かれている頃になると、日中は市が開かれ、夜間になると灯籠がともされ、通りの両側には灯棚が建ち並び、色とりどりの灯籠がかかげられた。色とりどりの灯籠・彩灯は実にさまざまな材料で作られ、多くは絹糸で制作されたが、ガラス製のものもあった。灯籠の表面には「三国志」「水滸伝」「西遊記」の中の登場人物や民俗物語、山水花草、鳥や獣などの絵が描かれ、道行く人達の人目を引いた。現代でも、新年や祝日を迎えるたび、お祝いの品として宮灯を買い求める人々の姿が見られる。

 

「チャイナネット」 2008年11月23日

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