北京 胡同の中の外国人

 胡同(フートン)とは、古都・北京特有の細い路地のこと。北京の国際的知名度が高まるに伴い、胡同を理解する外国人はより増えている。一部の「外国人さん」は北京の胡同の中で、自分の好きな事業を行ったり、自国文化の発信をしている。

 インドから来た男性・Dayaさんは、「胡同の中には我が家のような感覚がある。ご近所の方々も毎日顔を合わせ、お互いに助け合い、人混みの喧噪もなく、まさに我が家の安らぎです」と語る。胡同を愛するがゆえ、彼は帽児胡同、南鑼鼓巷、鼓楼大街、雅宝路にそれぞれインド料理店を開いた。

 Dayaさんは語る。「北京に来てから、中国の人達がインドを知らず、1950年代のインド映画の印象しか持っていないことに気が付きました。インドの食文化についてはさらに知られていませんでした。そこで私は決心をしたのです。胡同の中で、中国のごく普通の人達が暮らす場所で、手頃な値段のインド料理店を開店することを。中国の人に、食文化からインドを知ってほしかったのです」。

 英国から来た男性・ドミニクさんも北京の胡同での創業を選択、2本の胡同でオリジナルシャツ・ショップを開いている。彼の胡同に対する思い入れは深く、3人の子どもも胡同が好きだ。「北京で子どもたちを育てる、他の家族の方々と雑居する、これは非常にいい。非常に美しい。私の子どもたちの生活は本当に豊かで、ご近所でごはんをご馳走になったり、遊んだり、すっかり親しんでいます。とても勇敢ですね」。

 彼は外出の際はカメラを手にしてゆく。地下鉄の標識、バス停の標識、住宅の標識、消火器の標識など、すべてが彼にとってレンズの主役となる。今では、自分の興味のある品々が自身がデザインするオリジナルシャツの主役となっている。彼は地下鉄路線図、「宮保鶏丁(鶏肉のカシューナッツいため)」のメニュー、「鯉魚跳竜門」のデザインをTシャツにプリント、売れ行きは非常に良く、海外にまで売れている。

 ローレンスさんは碧い瞳にブロンズ色の髪、鼻筋の通った米国人だ。1980年代に天津に留学、今では胡同でレストランや宿泊施設を経営している。「四合院は中国文化を代表しますね。1本の胡同に入ると、外からみれば灰色の塀に囲まれていても、四合院に入れば、中は静かで、濃密で、透明で・・・・・・」ローレンスさんは語る。

 劉華さん(男性・中国語名)は英国籍ユダヤ人だ。古い風情が薫るガラス工場街に、中国の友人と共に店を開いた。安徽特産の書画用の画仙紙を専門に扱っている。彼は20歳で親を離れ、現在は英ロンドン大学で学んでいるが、2008年に訪問学者として北京に来た。今年の夏、英国に帰る際、彼は、「私はまた戻ってきます。中国には不思議な魅力がありますから」。劉華さんは中国文化に対して深い興味を抱いている。「私は中国文化、中国の古典文学を理解するため、専門として古代中国語を選びました。楚辞、四大名著、唐詩、宋詞、戯曲、皮影戯(影絵芝居)などを研究しました。」。彼はまた書道が好きで、時には自ら筆を振るうという。彼は写意画にも魅せられ、最も好きなのは清代「八大山人」の山水花鳥画を模写することだという。彼は常日頃からこう語る。「私の先祖は中国人だったに違いない」。

 劉華さんはロンドンでも画仙紙の販売店を開店したいと考えている。彼は言う。「英国では、中国語を学ぶ人はますます増えていて、中国画を学ぶ人もいる。画仙紙の需要は大いにあると思いますよ」。劉華さんは現在ロンドン大学で中国画、中国文化を無償で教えている。「中英文化交流の架け橋になりたい」彼は語った。(編集HT)

 「人民網日本語版」2009年11月26日